「古代生物って機械なのに、何で生物って呼ぶの?」
「そ、それは…」
「古代機械じゃあ、よく分からないからよ。古代兵器って呼んでも、なんかしっくりこないし。それに、あいつらは何かの意志を持って動いてるように見えるの」
「何かの意思って?」
「それは…」
「右からコセだ!」
アル達はクロムたちに合流し、ミカがミルフィーに尋ねた。もじもじと答えられないのを見かねたエルルが説明し、ミカが再び首を傾げて尋ねた。返事を戻そうとする中、いち早く奴らに気付いたクロムが叫んだ。ちなみに、古代生物では名前が長いので、省略をしてコセと呼ばれている。
『ガシャガシャガシャガシャ』
「任せろ」
ぞろぞろと群がるコセたちを目にしたグレンが、動じずに小さく応えた。普段無口だが戦闘中は声を出すようだ。
「前も気を付けて! 奴らは、たまに集団で襲って来るから!」
「前からも来ました!」
「マックス! 全員を守れ! 俺が、道を開けてくる!」
「無理すんじゃないわよ~!」
エルルが注意を飛ばし、ミルフィーが応えた。クロムは指示を飛ばし、エルルが声を掛けた。
【ライジング・サン!】
クロムはスキルを使った。電気を帯びたように体が輝き、高速で前方の群れを突き破る。
【サンダー・ランス!】
続けて槍を頭上で回転させ、放たれた稲光で周囲の奴らを一掃した。
「やっぱり、クロムは強いなー!」
「あっという間に、倒しちゃったわ!」
アルは憧れの眼差しで、ミカは驚いた表情でクロムの姿を見ていた。

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