今の戦闘で、クロムは二つの槍のスキルを使った。
この世界にはスキルと呼ばれる技がある。その種類は武器系統で変わり、いくつかある。
ライジング・サンは、前方に槍を構えたまま直進してその衝撃で相手にダメージを与える。移動中は、空中に浮いた状態になる。
サンダー・ランスは、頭上で槍を振り回して雷のような電撃で相手にダメージを与える。ライジング・サンより威力は低いが、範囲は円形状で広範囲になる。
「おまえら、まだだ!」
クロムが叫んだ。ダンジョンの奥から、ゆっくり歩いて来る物体が居る。
「あれが、バリアントだよ~」
キキの話に、アルとミカが大きく驚いている。
バリアントは、ダンジョンが発生した時に稀に現れる突然変異したモンスターだ。体はコセよりも遥かに大きく、強さも格段に上がる。
「ここのバリアントは、クラブタイプ見たいです」
ミルフィーは、ぎゅっと杖を握りしめている。
クラブタイプは、所謂カニのような体型のコセだ。両腕がカニのハサミのようになっている。背丈はクロムと同程度だが、横幅は足まで入れるとその数倍はある。
「でっかいな!」
「あんなの、倒せるの!?」
「カッコいい~」
アルとミカが驚いている最中、キキの瞳がきらりと光る。機械好きな心が、疼くのであろう。

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