アル達はギルドに到着して中に進んだ。
「あれは凄かったな~」
「オーバーヘッドキックは最高だよな!」
「あの高い打点からは、キーパーも一歩も動けなかったな~」
ここにもモニターがあり、スカイボールの話題でお祭り騒ぎだ。
「アル~。やっぱりちょっと見ていこうよ~!」
「まだ試合は始まったばかりだろ! あんなのを見てたら、あと二時間は掛かるぞ」
スカイボールの試合時間は凡そ2時間だ。延長戦を含めると更に時間が掛かる。
「スキル適正をやったあとは、付き合うから~」
「絶対よ!」
家で似てから来ればいいのにと思ったアルはカウンターに向かいながら手をひらひらさせた。必死なミカは力強くアルに訴えた。
アル達はギルドのカウンターに訪れた。
「すみませ~ん。適性検査を受けに来ました~」
「は~い。ちょっと待ってね~」
『ワァーーー』
カウンターに訪れたアルが奥に向けて声を飛ばすと返事は戻ってきたが、そのあと完成しか戻って来なかった。奥でもスカイボールを見ているからだ。
アルは今日のお祭り騒ぎであればギルドは空いているであろうと甘く考えていた。しかし、当てが外れてうんざりと言った顔をする。そして更にしばらく待たされる。
「あらあら、ごめんなさいね。丁度いいところだったから、目が離せなくて」
何の悪気もなく話をしたのは、エリーザと言う女性だ。歳は二十代後半でアル達とは知り合いだ。普段からラフなTシャツとスカートで、大人の色気を漂わせている。
「今日も二人で一緒なのね! お姉さん、焼けちゃうわ~」
「ちょ、ちょっと、やめてください! そんなんじゃありませんから!」
ミカは未定したが顔は真っ赤だ。何故ならアルにほの字だからだ。
「はいはい、ごちそうさまでした。で、適性検査だったわね? すぐに用意するからちょっと待っててね」
リーザはカウンターの奥に戻った。そして、アル達はしばらく放置された。
「はあ~」
「キャー! 凄いわよ! アルも見て!」
溜息を吐いたアルだが、ミカは興奮してアルの体をぐいぐいと揺らされ今日がどうでも良くなってくる。
「お待たせ~。凄いわね~。アルも、スカイボールの選手になる?」
「ならないよ!」
戻ってきたエリーザはからかうようにアルに尋ねたが、アルは顔を背けた。
「アル君のおじいさんは凄い人だったから、あなたもきっと凄い選手になれると思ったのに~」
「じいちゃんのことはいいから! それより! いい加減、早く終わらせてくれ!」
「はいはい。仕方ないわね~」
おじいさんは若いころは凄かったが、アルはまだそれを理解していない。
「それじゃあ、ちょっとチクっとするけど、我慢してね」
エリーザは適性検査のため、カウンター上のアルの左指にの道具を使った。
この道具は洗濯ばさみのような形をしている。そこに小さな針が付いいて、採血を行う仕組みだ。
『ピピ!』
「次はミカちゃんね。アル君と同じように手をここに置いてね」
ミカも同様にされた。
『ピピ!』
「はい。これで終わりよ。検査結果はすぐ出るから、スカイボールでも見てて」
リーザは足早に奥のモニターへ向かった。ミカも別のモニターに向かい、
(大丈夫かな…?)
アルの心には不安が残った。

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